日本は見すてない

日本を見すてない

昨日のエントリーの続きを書かざるを得ない.
そういえば,こうした官製のポスターは見たことなかった.拉致問題が再び俎上に上ってきたおり,万人の方に拉致について再考いただくには結構なことだと思う.しかし相変わらず,小泉さんは他人事のように仰る.鈴木官房副長官の言葉は本当は貴方が言うべき事,「日本に帰ってきていただく」ではなく,「同胞を奪還する」に変えて.

 政府は17日、北朝鮮による拉致被害者の早期帰国を呼びかけるポスターを公開した。キャッチフレーズは「拉致 日本は見すてない」。事件現場を連想できるように、海へ続く道に1足の靴が脱ぎ捨てられている構図の写真を使った。20万枚印刷し、全国の公共施設、駅、学校などに配る。
 拉致問題を巡り、政府が広報ポスターを作ったのは初めて。鈴木官房副長官は同日、「絶対に日本に帰ってきていただくという政府の強い決意を示した」と説明。小泉首相は「日本の主張が端的に表れている」と感想をもらしたという。

また自民党武部幹事長がラジオ番組で北朝鮮への経済制裁を示唆したという(朝日の記事).これも結構なことだと思うが,今までも幾人かの党人が同様のことを発言してきた.これは飽くまで党人だから言えることで,一種のポジショントークだろう.当然のことながら,小泉総理が言わない限り,あまり意味はないように思う.

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家族会への再バッシングは杞憂だろうか?

横田めぐみさんの夫とされる金英男氏が横田夫妻に宛てて,4年前に訪朝を促す手紙を出していたという.以下,産経webの記事,元記事は東亜日報らしいが,その日本語版WEBに未だ記事はなかった.

韓国紙、東亜日報は17日、拉致被害者横田めぐみさんの両親、滋さんと早紀江さんの話として、めぐみさんの「元夫」とされる「キム・チョルジュン」氏が4年前に横田夫妻に自筆の手紙を送り、訪朝を要請していたと報じた。
 横田夫妻は同紙とのインタビューで、訪朝して墓などを訪問すれば、めぐみさんの死亡が既成事実化される危険性があるため要請に応じなかったと明らかにした。
 平成14年に訪朝した日本政府調査団は、同氏からの手紙を持ち帰ったことを発表していた。
 手紙には「めぐみと私は結婚して間もなく娘が生まれました。幸福な結婚生活でしたが、今はめぐみが死亡したという知らせを伝えるしかなく遺憾です。娘のヘギョンがまだ幼く、日本へ行くのは難しく、お2人が北へおいでになれば、いろいろなお話をしたいと思います」と書かれていたという。
 また、早紀江さんは同紙に対し、日本政府のDNA鑑定でめぐみさんの夫の可能性が高まった韓国人拉致被害者、金英男氏の母親が夫妻と会いたいとしていることについて「私たちは親類になるわけで一刻も早く会いたい。子どもたちの幼いときの話を交わしながら慰労したい」と述べた。
 横田夫妻は手紙を金英男氏の家族に見せて筆跡が同氏のものかどうか確認したいとした。
 早紀江さんは「めぐみが北朝鮮の人と結婚していれば日本に帰ってこられないのではないかと心配していた。相手が韓国人なので少し気分が楽になった」と語ったという。
(共同)(04/17 12:48)


これを見ると,北朝鮮はかなり初期の段階から娘さんのヘギョンさんだけでなく,夫まで使って拉致事件のシンボルである横田めぐみさんを利用しようと企んでいたことが分かる.4年前,フジテレビがヘギョンさんを使った北の工作にまんまと乗せられてしまったわけだが,横田夫妻は敏感にそれを察知して,情を断ち切ってまでもそれに乗ることはなかった.したがって,あの時点で本当の夫がどうかも分からない男の口車などに騙されることはなかったのは当然だろう.
しかしながら,今はその男が本当の夫で,しかも拉致された韓国人であることがほぼ明らかになっているわけだから,現状はちょっと複雑である.

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「教職員会議 挙手・採決禁止は大人げない」・・か?

教育基本法改正問題の関連で三連続のエントリー.
東京都教育委員会が職員会議で挙手・採決を禁止する異例の通達を出したという記事について,ネット右翼的に少し考察してみたいと思う.
ご存じのように,東京都では国旗掲揚・国歌斉唱問題に絡んで,全国でも突出した違反者処分を行っている.すなわち,これは国旗掲揚君が代斉唱という至極当然な職務行為の一つを,思想の自由などといった場違いな屁理屈を盾に拒否したアカ教員が多かったと云うことだ.それと同時に,それを監督・指導する校長の統率力が弱いことも露呈されたとも云えるだろう.したがって,今回の通達は校長の権限強化・再確認という意味において,別段おかしな決定ではないと思う.4月15日付の朝日毎日の社説を読んでも,その批判ぶりから逆に都教委の意図が透けて見える.
読売の記事を見ると,今回の通達の動機について「今年1〜2月に都立高など計22校でヒアリングをしたところ、主任教諭の選任や学校行事の運営について、職員会議に諮ったうえ、多数決で決めていた学校が約7割に上った。」と,職員会議の実態を挙げている.これは推測ではあるが,実際には事勿れ校長がアカ教師達に突き上げをくらう,そんなイメージではないのか.それくらいでないと,こういった異例の通達を出すとは思えないからだ.
両社説では何故か,子供達に悪影響が出るだの可哀想だの宣っているが,むしろ現況の方が子供に混乱を生じさせているのではないだろうか.学校は学問を学ぶところであると同時に,子供達に規律・規範を教えるところでもある.異論はあろうが,筆者は教育にはある程度の強制力が必要だと考えている.個ではなく,公を重んじて物事を進めていくことの重要性を教えないと,公共の精神は育たなくなる.これは”個人の尊厳”とは別次元のものだ.ゆえに,これを指導する側の教員が規律や規範を守らないでは逆に子供に示しがつかなくなるのは自明だろう.

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心を態度にすり替える欺瞞

前エントリーに続いての教育基本法改正案の問題.妥協案決定直後には何とかミニマムは守られたかなとも感じたが,やはり納得できない.
「伝統と文化を尊重し,それらを育んできた国および郷土を愛する.他国を尊重し,国際社会の平和と発展に寄与する態度を養成する」
ではなく,
「伝統と文化を尊重し,それらを育んできた国および郷土を愛するとともに,他国を尊重し,国際社会の平和と発展に寄与する態度を養成する
だったようだ.要するに,尊重する態度,愛する態度,寄与する態度のオンパレード.態度とは普通に考えれば,”身振り”,”素振り”,”様子”を意味している.だとすれば,心はなくとも態度だけ取り繕うことが可能な解釈となる.
日教組辺りはこんな内容でも,表向きは反対のようだが,内心はどんな解釈で骨抜きにしてやろうかをすでに考えていることだろう.自民党がこの改正に着手した偽りのない動機,そして本心は戦後,まさに日教組をはじめとした左翼教育の蔓延に危機を感じたからではないのか.やはりどう考えても,自民党は目先の利益に囚われてオガミヤなんぞに妥協するべきではなかった.
すでに自民党からこの妥協案に対する批判が噴出しているようで,今一度期待したいところだ.また教育基本法改正のための超党派議員連盟平沼赳夫会長)役員による検討会では,この妥協案は看過できないとの一致が為されたようである.これは西村眞悟代議士の”眞悟の時事通信教育基本法改正の動きについて”に詳しいが,氏は以下のように仰っている.

例えば,卒業式で左翼教師が生徒に国旗・国歌を尊重する「態度」をとらせるが、平素は国旗・国歌を無視する「心」を教え続けることも,「教育の目標」に適合することになるではないか。

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ナショナリズムかパトリオティズムか

今日,開かれる教育基本法改正に関する与党検討会で改正に盛り込む案を調整するらしい.以下,我が哀する?朝日の記事(抜粋).
だから,”国を愛し,大切にする心”,”万物崇敬の涵養”にすれば良いでしょうに,所詮,こういった法律内の言葉はお飾りみたいなもので,運用主体等の解釈によって,良きにつけ悪しきにつけ変質してしまうのだから.

12日に開かれる教育基本法改正に関する与党検討会で、大島理森座長が自民、公明両党間で表現をめぐって対立してきた「愛国心」の表記についての座長案を提示する。
保利耕輔前座長が昨年夏に示した「伝統と文化を尊重し、それらを育んで来た郷土と国を愛し(あるいは大切にし)」とする案などを踏まえ、「国」「愛する」との表現を盛り込む方向で調整を進めている。
(中略)
焦点となっている「愛国心」をめぐっては、自民党は「国を愛する心」、公明党は「国を大切にする心」を主張。与党検討会は一昨年6月の中間報告で、「国」に国家権力や政府といった「統治機構」を含まないことを確認。それを踏まえ、保利前座長が昨年夏、文案を示した。さらに大島氏は今月5日、「国」に統治機構を含めない一方で、他国や国際社会を尊重するような表現にする座長案を提示する考えを示した。検討会の出席者の一人は「座長案は保利氏の案を軸にするのだろう」と指摘している。
 自民党は11日の文部科学部会・文教制度調査会合同会議で、当面の対応を同党の検討会委員に一任することを決めた。
 しかし、自民党議員321人を含む超党派の「教育基本法改正促進委員会」(380人)は同日、大会を開催。改正案に「愛国心」または「国を愛する心」と「宗教的情操の涵養(かんよう)」を盛り込み、現行法にある「教育は不当な支配に服することなく」との表現を削除するよう求める決議を採択した。
 与党検討会はこれまでに改正案に「宗教的情操」は盛り込まず、「不当な支配」については残す方針を固めている。
 同委員会には「改正案をつぶすべきではない」という意見もあるが、中心メンバーの平沼赳夫日本会議国会議員懇談会長は記者会見で、3点のうち一つでも実現しなかった場合には「反対せざるを得ない」と述べた。

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誠意ある対応を?いい加減聞き飽きました

本日二本目,これだけは書いておかねば.
てっきり,拉致被害者の方々を返しに来てくれたのかと思ってた(有り得ません),金桂寛さん,何しに来たの?
余裕コイテこんなことやってます,”朝鮮軍縮平和研究所代表団 朝鮮会館を訪問し 徐萬述議長らと懇談”.アンタがいくところはソウレンではないはずだが・・・.
それと”6カ国協議で前進なし 米朝接触も物別れ”と”韓国との連携は当然 DNA問題で塩崎外務副大臣”.

結論として「即,経済制裁するべし」,これしかありません.
ただアメリカの金融制裁逃れに奔走する金桂寛をいいように行動させて,DNA鑑定結果も突きつけないで,何が誠意ある対応を求むですか.いい加減,聞き飽きましたよ,小泉さんそして安倍さん.
小泉さんは今更ですが,安倍さん,貴方の義ある行動を待ってる幾万の心ある国民,そして家族会の方々はどうしたらいいのでしょう.貴方の行動が政治力学によって一時の機会を奪うことになったとしても,国民は貴方から決して離れることはないでしょう.
お忘れになりましたか?,貴方が「国民一人の命をも決して疎かにしないことがタカ派と呼ばれるのなら,私はタカ派で結構です」と仰ったことを.それとも,今多くの保守論客が言われるように,もう(or 元々)駄目なんでしょうか.筆者は考えが甘いのでしょうかね.

Dogma_and_prejudice”様が”一国だけの経済制裁など無意味」なんていうのは、言い訳”で仰るように,経済制裁の効果の問題は政府側や北を擁護したい連中の卑怯な言い訳に過ぎません.奇しくも,朝のTBSで”5人を北へ返せ”と仰せになった著名な元新聞記者が「経済制裁は中国が裏でどんどん助けてしまうので効果が望めないんですよね」などと,分かった風なことを宣ってましたが,では何故,制裁すれば即宣戦布告と見なすなどと北は火病を起こすんでしょうかね.一度お聞きしたいものです(将軍様はきっと,日本製のメロンが喰えないだけでも怒り狂うんではないですかね?).
また,泥棒ネコの使いに関しては,”プロテクトX −傍観者たち−”様の仰った「ついでに来日中のキム・ゲグァン外務次官を拘束してやれ。「拉致被害者を帰さない限り生きて北朝鮮に帰れると思うなよ?」くらい言ってやれ。」がどうしようもない位に妥当なお言葉です.
韓国との連携,それも良いでしょう.ですが,400人以上いる韓国人の拉致被害者に対して,ノラリヒョンのオッサンは何か有効策を講じましたか?太陽政策を未だに続けている韓国に拉致問題で何かを期待する方が間違っています.
これ以上,家族会そして拉致被害者の方々を苦しめるのは止めていただきたいと思います.


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中共に迎合する政治屋達

民主党の新代表になった小沢一郎氏が早速,虚妄に囚われた発言を行っている(読売記事).

民主党の小沢代表は9日のNHKの報道番組で、小泉首相靖国神社参拝問題について「小泉氏の(参拝で)は駄目だ」と批判した。
その理由として、「俗にA級戦犯と言われる人たちは戦争で死んだわけではない。日本の国民に対し戦争を指導した大きな責任があり、本来靖国神社に祭られるべきではない」とA級戦犯の合祀(ごうし)に問題があることを挙げ、「戦争で亡くなった人たちの御霊(みたま)を守る本来の靖国神社の姿にかえり、天皇も首相もちゃんと参拝すればいい」と述べた。


小沢氏は小泉政権とは異なる政策を明確にすれば,国民にとって,より判りやすい判断基準が出来るなどと言っていたが,こんな馬鹿らしい妄言がそれであろうか?
何時になったら,サンフランシスコ講和条約第11条を正しく理解した政治家が台頭してくるのであろうか.所謂,A級戦犯など現国内にはいないのだが・・・,ましてや当時の戦勝国でもない中共や韓国,北朝鮮に云われる筋合いなど全くない(この辺りは”てっく様のエントリー”に詳しい).国内にそう呼びたい勢力や個人がいることは構わないが,日本国の政治家が公式に述べる際には法務死亡者と呼ぶべきだ(個人的には昭和殉難者とお呼びしたい).
物理的な戦争犠牲者ではないものの,彼らだって戦争の一犠牲者である事に違いはない.さらに彼らは不当な事後法で裁かれてしまった東京裁判の犠牲者でもある.これはどうやっても天皇を裁けなかった連合国側の代替報復であることは明白だ.

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