日本は見すてない

日本を見すてない

昨日のエントリーの続きを書かざるを得ない.
そういえば,こうした官製のポスターは見たことなかった.拉致問題が再び俎上に上ってきたおり,万人の方に拉致について再考いただくには結構なことだと思う.しかし相変わらず,小泉さんは他人事のように仰る.鈴木官房副長官の言葉は本当は貴方が言うべき事,「日本に帰ってきていただく」ではなく,「同胞を奪還する」に変えて.

 政府は17日、北朝鮮による拉致被害者の早期帰国を呼びかけるポスターを公開した。キャッチフレーズは「拉致 日本は見すてない」。事件現場を連想できるように、海へ続く道に1足の靴が脱ぎ捨てられている構図の写真を使った。20万枚印刷し、全国の公共施設、駅、学校などに配る。
 拉致問題を巡り、政府が広報ポスターを作ったのは初めて。鈴木官房副長官は同日、「絶対に日本に帰ってきていただくという政府の強い決意を示した」と説明。小泉首相は「日本の主張が端的に表れている」と感想をもらしたという。

また自民党武部幹事長がラジオ番組で北朝鮮への経済制裁を示唆したという(朝日の記事).これも結構なことだと思うが,今までも幾人かの党人が同様のことを発言してきた.これは飽くまで党人だから言えることで,一種のポジショントークだろう.当然のことながら,小泉総理が言わない限り,あまり意味はないように思う.



その他,”小泉首相、3度目の訪朝を計画か”なんて記事もあったが,出元が週刊誌で,しかもいつもながらの怪しい政府関係者の話なので,取り敢えず無視する.上記より問題な記事は以下の朝鮮日報の記事.

統一部のイ・ジョンソク長官は17日、第18回南北長官級会談で、「拉致被害者問題の解決に向け、北朝鮮に思い切った経済支援策を提案する考え」と明らかにした。李長官は同日、国会・統一外交通商委員会で「私たちの目標は、拉致被害者が生きているかどうかを確認し、連れ戻すこと」とし、「国家の責務という観点から、見合った見返りを提供する考え」と前提し、このように述べた。
 イ長官は、「米国の政策が、北朝鮮の体制転換の方向で進んでいるという主張に同意するか」という質問に対して、「米国が、体制転換問題によく触れているが、体制の変化には、政権の入れ替えを狙うものと、一般的な体制の転換とがあり、米国ではほとんどが後者に重きを置いている」と答えた。
またイ長官は、北朝鮮が最近、ハンナラ党朴槿恵(パク・グンヘ)代表を非難していることについて、「長官級会談の際、いかなる形であれ、この問題に対するわれわれの懸念の意をはっきり伝えるつもり」と述べた。
 イ長官は、新浦軽水炉の解体費用について、「まだ決まってはいないものの、およそ1億5000万ドルと計上している」とし、「他の国から拠出が見込めないからと言って韓国政府がこれ以上の費用を拠出することはないだろう」と述べた。
 またイ長官は、200万キロワットの北朝鮮への送電計画について、「計画が白紙化したわけではなく、現実を勘案して活用してみたい」とし、「元の形に留まる可能性は低い。できる限り少ない費用で効果があることを期待する」と述べた。


やはり昨日のエントリーで予想したとおり,得体の知れない何かが蠢きだしたようだ.
基本的に韓国は北に迎合する融和策を止めない限り,こうした方策しか取る道はないのだと思う.今の韓国に北へのレジューム・チェンジを求めることなど出来る道理がない.要するに,経済支援策という名の身代金だ.
ところで,その金は一体何処から拠出するんだろう?少し前に,記事後半にある北への送電計画に要する財源は日本が殆ど受け持つなんてことを風の噂で聞いたことがあったが・・・まぁ止めておきましょう.
確かに政府は最近の朝鮮総連への対応等を観ても,その動きを少しずつ圧力にシフトしているようだが,表には決して強い意志を見せようとしない.北による報復措置への恐れ以外にも何か理由があるのだろうが,何とか経済制裁への高まりを薄めておきたいという行動だけは誤魔化すことは出来ない.そんな中で,横田めぐみさんに絡む一連の報道が交差してくるのではないか?
すなわち,めぐみさんの夫が拉致された韓国人であることが北に太陽政策を取る韓国との連携を世論に納得された形で取りやすくなったことだ.次に,これをやりたくて仕方がなかったマスメディアが連携を煽り,それに異を唱えれば叩くという非常に分かりやすい構図ができつつある.当の韓国は最初から強攻策など採らないことが予想できるので,目出度く?日本もそれに乗り,北への身代金計画が行われるという寸法だ.
妄想が過ぎると云えばそれまでだが,こうした流れも考慮しておいた方が良いと思う.
これ以上は本当に妄想になってしまうので止めておこうと思うが,云えることとして,この方法ではまず間違いなくめぐみさんを奪還することなど出来ないということだ.

*こんな筆者の考えを先鋭化と呼ぶのでしょうかね.

追記:itukyuu様,答えになっていないかもしれませんが,筆者の考えを単純に述べてみました.itukyuu様のお考えに似たものがベースとしてあるにはあります(itukyuu様のブログ).



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