神道について

先日,ご近所のお葬式があった.
珍しく,神道形式によるお葬式ということで,どこの宗教か?と尋ねたら大本教だった.
大本教は雑誌”ムー”ではお馴染み?の教団だが,家人が何それ!?って感じだったのは無理もない.


筆者もこの教団について詳しくは知らないので,ヘンなことは書けないが,一般的には”出口王仁三郎”と”戦時弾圧”のキーワードでよく語られる教団だと思う.詳細はココでよく解説されているので省くが,少なくとも天皇陛下を中心に置いた所謂国家神道的な考えとは相容れない思想をもっていたために,当時の軍部によって強烈な弾圧を受けた宗教団体であったようである(”ムー”では王仁三郎の預言をよくテーマにしている).
現在,教団HPを見ると,生命倫理に重きを置いた主張・活動が為されているようであるが,今でも神道=万物神-->その祭祀の中心は天皇という一般的な神道思想とは異なる独自の神道観なのは変わってなさそうな感じがした.
だからかどうかは分からないが,この主張(第二次大本事件解決60周年「平和メッセージ」)はどっかの脳内妄想の方々と同じような主張で,強い違和感を覚えた.
特に,

・・・以来半世紀、21世紀の世界は、自然環境の破壊、飢餓、貧困、抑圧、差別、民族紛争、戦争、テロとの戦いが国境を越え、各国が国益のみを主張してきた時代は終焉を告げようとしています。今日、「世界連邦」の未来構想 −− 国家主権の一部委譲による世界連邦政府と世界議会の創設、世界法の制定、世界裁判所の設置、各国の軍備全廃と世界連邦警察軍による安全保障の確立は、人類の理想ではなく、人類が生き残るための切実な課題となりました。・・・

国家主権の一部委譲って,確か民主党憲法改正に関わる理念として挙げてた”とてつもなくお花畑な”考え方では? 世界連邦って,スタートレック(惑星連邦)じゃないんだから.人類がこんな高い精神性をもつのはもっと先の未来ですがね・・・多分.
独自の神道観から導き出された平和論がこの程度のものなら,私的にはこの教団に賛同できるものではない.
無論,ネットウヨと云われる筆者だって,上記のような世界になれば本当に良いだろうなって思う.しかし,その前にやることがあるでしょうに・・.日本に核ミサイルの照準を向けた国があり,我が国民を拉致して返さない国がある現実をこうした方々はどう考えるんだろう?

終戦によって終わった国家神道の思想は確かに不条理な部分もあるとは思うが,少なくとも日本が脈々と受け継いできた神道の伝統文化を基礎とした部分においては非常に優れた考え方だと思う.是非,憲法改正にあたっては,神道に纏わる作法や儀式を宗教行為の範疇から除外していただきたい.理由はそれが日本文化そのものだからで十分だ.
係って,皇室典範改正問題.現況については色々な保守系ブログで真っ当な意見が述べられています(Dr.s RSS Readerを参照願います).これも極論を言えば,福田逸先生が言っておられた

直系であれ傍系であれ男系男子以外はあり得ぬ、それだけは声を大にして言つておく。理由は簡単、今までがさうだつたから。あるいは、さうだつたとされてゐるから。これ以上でも以下でもない。それが伝統といふものだ。

という,理由だけで十分だと思うが,これが理解できない人たちをどの様に説得するか皆さん苦労されている.
さし当たっては内閣部会メンバーへのメル突,筆者もやってみるか.安倍官房長官,信じてます,お願いします.