違和感

「株のことをもっと勉強したい。ライブドア株をもっと買いたい」。東京都在住の小学5年生(10)は、パソコンの画面を見つめて目を輝かせた。
 インターネット専業証券のマネックス証券グループは、10万円を元手に小中学生にネットを通じた株式売買を体験してもらう「株のがっこう」をこのほど開校した。
 元手の10万円をマネックス側が提供し、現金を参加者の口座に振り込んで株取引に臨んでもらうのが目玉で、生徒募集には約600人が応じた。
 1月下旬に始める株取引に備えて東京証券取引所で開いた授業には、課題の作文で選ばれた小5から中3の子どもと保護者ら28組が参加。授業は「お金の上手な増やし方」や株の売買の仕方といった基礎編から、日本マクドナルドホールディングスモスフードサービスの収益や株価の推移を例に投資のポイントを学習する実践編まで、本格的な内容。 先生役を務めた内藤忍(ないとう・しのぶ)マネックス・ユニバーシティ社長は「(金銭を大事にし過ぎる)拝金主義に陥らず、お金の使い道に明確な目的を持って投資してほしい」と話した。
 4月下旬の卒業まで、毎月1回のリポート提出の宿題もある。10万円から利益が生まれて参加者の懐に入るのか、損失が出るのか。運用成績が卒業証書代わりだ。


「拝金主義に陥らず・・・」と云ったところで,今の子供たちに”それの何が悪いのか”が分かるとは思えないのだが・・・,みんなホリエモンになりたいのか?

ホリエモン的な合理性を重視した考え方も確かに商売には必要だろう.だが,それは飽くまで経済学の一理論みたいなもので,それを人生哲学に置き換えられたら,たちまち品性を失う.だからこそ,たとえ貧乏でも武士(もののふ)は商人より尊敬されたし,格も上だったのだ.筆者が一番厭なのは,ホリエモン的商売哲学が人の生き方としても,さも勝ち組のように扱われることだ.
話は脱線するが,スタートレックに登場するフェレンギという種族は欧米的実利主義の正に権化のようなキャラクターで,”金儲けの秘訣”という商売の心得みたいなものを人生訓にしているヘンテコな異星人だ.彼らはストーリーの上でも,他の異星人から下衆な種族としての扱いをよく受けている.要するに,欧米的な(スタトレはアメリカのTV映画)見地からも拝金思想は品格低きものとして見られていると云うことであり,フェレンギはそれを具現化させたキャラで一種のアンチテーゼのつもりで登場させているのだと思う.

人間は立場を弁えねばならない.子供には子供の立場があり,この時期に学ぶは商売の秘訣ではない.
こんな人間になってからじゃ遅い.小学校からの英語教育といい,土台もないのに立派な家など建つはずがないと思うのだが,どうも今の教育方法には違和感がある.
昨今の状況を報徳の精神を説いた二宮尊徳先生が見たら何と思われるであろうか?
非常に興味がある.